皮膚
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制汗消臭剤FM-10の腋臭症に対する二重盲検交叉法による臨床評価
FM-10臨床研究班
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1987 年 29 巻 5 号 p. 889-898

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抄録
アルミニウムクロルヒドロキシドに消臭効果を有するツバキ属葉エキスを配合した制汗消臭剤FM-10の腋臭症に対する有効性と安全性について, アルミニウムクロルヒドロキシドを対照薬とし, 7施設よりなる共同研究班を組織して, double-blindcross-over studyを行った.その結果, 症状別改善度ではFM-10が, 左腋窩では臭いに対する効果において対照薬よりも有意に優れていた.制汗作用, 一時的消臭効果については両薬剤間に有意差はなかった. 総合効果, 有用性, 医師による有用性の比較のいずれにおいてもFM-10が対照薬に優る傾向を示した.治験開始前の臭い重症度3以上の強い臭いを有する症例については, FM-10の消臭効果が対照薬より有意に優れていた. 副作用はFM-10で1例, 対照薬で2例認められたが, 軽微なもので, 治療継続可能であった. FM-10は副作用も少なく, 腋臭に対し有用な薬剤と評価された.
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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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