1988 年 30 巻 3 号 p. 358-363
症例: 51歳, 女性。約7年前よりmixed connective tissue diseaseの診断にてprednisolone, azathioprineによる治療を受けていた。4か月前より右第I趾, 両下腿に潰瘍が出現し, 次第に両手背, 顔面にも小結節が出現してきた。初診時, 右第I趾にIP関節にも達する潰瘍が認められ, 両下腿に小潰瘍が多発しており, 左頬部, 左上眼瞼, 両手背に小結節が認められた。病理組織像では, 真皮中層から下層にかけて小円形細胞浸潤, 類上皮細胞, Langhans型巨細胞が認められ, Ziehl-Neelsen染色陽性の桿菌を証明した。皮疹部の膿からも抗酸菌を証明し. 培養によりMycobacterium marinumと同定した。INH, rifampicinおよびethambutolの投与が著効を示した。併せて発症機序などについても検討を加えた。