皮膚
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紫外線療法の奏功機序
とくに即時型皮膚炎症反応に及ぼす影響
段野 貴一郎
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1988 年 30 巻 5 号 p. 599-609

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抄録

紫外線療法はおもに中波長紫外線またはソラレン加長波長紫外線 (PUVA) を用いて行われることが多い。対象疾患としては, 乾癬群, 白斑などが一般的であるが, 尿毒症性皮膚痛痒症, 慢性じんま疹, 日光じんま疹, 色素性じんま疹にもときに有効である。一方, 紫外線療法の奏功機序としては, 従来細胞核DNAへの合成阻害が知られているが, これら即時型皮膚炎症における紫外線の影響はよく知られていない。最近, 肥満細胞とケミカルメディエーター遊離に及ぼす紫外線の影響に関する臨床ならびに実験成績が報告されつつある。これらは紫外線の抗炎症効果の一側面として興味深いので, 本稿では著者らの成績を混じえてその概要を述べてみたい。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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