1988 年 30 巻 5 号 p. 638-643
34歳, 男性に生じた全身性膿疱性乾癬の1例を報告した。昭和55年3月頃より, 何ら誘因なく指趾爪囲に, 発赤を伴った腫脹, 小膿疱が出現し, 皮疹は徐々に拡大し, 全身性となった。種々の治療を試みたが, etretimteとmethotrexateの併用療法, steroid pulse療法, cyclosporin A内服にて膿疱の新生が抑制された。しかし, 患者の全身状態は次第に悪化し, 敗血症性ショックから肺炎を併発して死亡した。剖検では, 病巣感染を来すような感染巣は発見されなかった。組織学的には, Kogoj海綿状膿疱を呈し, 稽留性肢端皮膚炎の汎発型と考えられた。