皮膚
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0.1% Mometasone furoate軟膏のヒトにおける経皮吸収試験
Mometasone furoateおよびその代謝産物の血漿中濃度と尿中排泄量の測定と血清コルチゾール値に及ぼす影響
東 禹彦片桐 謙
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1990 年 32 巻 3 号 p. 395-402

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抄録

0.1% Mometasone furoate軟膏10g/日を健康成人男子5名に1日20時間密封法で5日間連続投与し, mometasone furoateおよびその代謝産物の血漿中濃度と尿中排泄量を測定し, また血清コルチゾール値を測定した。
投与開始15時間後には血漿中にmometasone furoateが100pg/ml前後検出されたが, 投与中止後は急速に検出されなくなった。一方, その代謝産物は試験期間中終始検出されなかった (検出限界10pg/ml), 尿中にはmometasone furoateおよびその代謝産物である6β-OH-mometasone furoateとmometasoneが検出され, その累積排泄量の合計は総投与量の0.00076%にすぎなかった。6β-OH-mometasoneは尿中から検出されなかった (検出限界50pg/ml)。
血清コルチゾール値は試験期間中低下しなかった。0.1% Mometasone furoateはこの程度の使用量では, 全身的な影響の少ない薬剤と言える。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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