皮膚
Online ISSN : 1884-541X
Print ISSN : 0018-1390
ISSN-L : 0018-1390
20% Adipic Acidクリームによる座瘡の治験
橋本 陽子麻生 五月渡辺 加代子須貝 哲郎
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 32 巻 4 号 p. 586-591

詳細
抄録

20% Adipic acidクリーム外用による座瘡に対する治療効果, 副作用および有用性を検討した。対象は尋常性痙瘡58例, 集簇性座瘡7例で, 治療成績は4週以上で判定した。尋常性座瘡のうち12例は外用単独, 46例はテトラサイクリン系抗生剤内服を併用した。両群の間に, 改善率の差は認めず, 副作用出現率では前者が75.0%, 後者が34.2%と差が認められた。副作用の程度は, 軽度~中等度がほとんどであった。皮疹別では, 丘疹に対する効果が最も良かった。単独外用群について有用性を検討した結果, 有用率58.3%であった。集簇性座瘡は4力月以上の継続使用により, 85.7%に有用であった。

著者関連情報
© 日本皮膚科学会大阪地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top