皮膚
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三重大学に於ける最近5年間のBowen病およびBowen癌の臨床的, 統計的観察
稲地 真谷口 芳記清水 正之
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1992 年 34 巻 5 号 p. 573-577

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抄録

1985年1月から1989年12月までの5年間に, 三重大学医学部皮膚科を受診したBowen病およびBowen癌34例につき臨床的統計的検討を行った。1) 外来患者に対する頻度は0.22%であった。2) 男女比は0.55:1で, 年齢別では70歳代に最も多く, 平均年齢は71.8歳であった。3) 皮疹に気付いてから初診までの期間は平均6.1年であった。4) 単発例は33例, うちBowen癌は5例で, 多発例は1例4病巣ですべてBowen病であった。発生部位は躯幹に最も多かった。5) 誘因では, 長期の日光曝露の可能性のある農業従事者4例, human papilloma virus陽性例1例であった。6) 本例中には, 内臓悪性腫瘍を合併した例はなかった。

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