皮膚
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アトピー性皮膚炎に対するテルフェナジンの有用性の臨床的検討
薬効ランクstrongのステロイド外用薬単独とmildの外用薬にテルフェナジン併用との比較試験
濱田 稔夫石井 正光中川 浩一小林 裕美北島 淳一茶之木 美也子依藤 時子谷 幸子八代 典子
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1996 年 38 巻 1 号 p. 97-103

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抄録

アトピー性皮膚炎に対し, 抗アレルギー薬であるテルフェナジン内服およびmildのステロイド外用薬である0.1%プロピオン酸アルクロメタゾン軟膏外用併用療法 (A群) とstrongのステロイド外用薬である0.12%吉草酸べタメタゾン軟膏外用単独療法 (B群) を封筒法で割り付け, 各群の臨床効果, 安全性および有用性を検討した。
最終全般改善度では, A群において「改善」以上の改善率が89.3%, B群において50.0%であり, A群はB群に比べ有意に優れていた。副作用と考えられる随伴症状はいずれの症例にも認められなかった。
以上から, アトピー性皮膚炎に対し, テルフェナジン内服とmildのステロイド外用薬の併用療法はstrongのステロイド外用薬単独療法よりも治療効果が高く, 有用な治療法と考えられる。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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