皮膚
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皮膚I型アレルギーとヒスタミン
秀 道広岡野 伸二山本 昇牡
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1996 年 38 巻 6 号 p. 564-570

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抄録

ヒスタミンはヒスチジン脱炭酸酵素によりヒスチジンより合成され, 主に肥満細胞と好塩基球に蓄えられるが, 脳, 胃 (ECL細胞), リンパ球, 皮膚表皮細胞などでも合成される。遊離されたヒスタミンはジアミン酸化酵素系, またはヒスタミン-N-メチル基転移酵素系の二つの代謝経路を経て大部分は尿中に排泄される。皮膚I型アレルギーに深く関与し, 蕁麻疹では急激に, アトピー性皮膚炎では緩除に遊離されて血管拡張や痒みを起こすと考えられる。肥満細胞からはヒスタミンに続いて各種サイトカインが遊離され, 各々異なる分泌調節を受けることが明らかになりつつある。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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