皮膚
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塩酸ジフェニルピラリンによる固定薬疹
森 有紀杉原 和子野田 剛弘弓立 達夫荒金 兆典手塚 正
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1999 年 41 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

症例は31歳女性。平成7年4月ごろより下肢, 臂部に円形の鶏卵大の紅斑が出現した。紅斑は出現, 消退を4回繰り返し, 徐々に範囲が広がってきたため, 平成8年1月25日当科初診となった。初診時, 下肢, 臂部に円形の浮腫性の紅斑を多数認めた。固定薬疹を疑い, 初診時の発疹出現以前に内服していたPL顆粒®, ダンリッチ®について成分別に1包ずつ内服テストを行った。塩酸ジフェニルピラリン1包内服後, 約2時間でロ唇と小指にピリピリ感, 紅斑が出現した。以前, 皮疹を認めた部位にも紅斑を認め, 塩酸ジフェニルピラリンの固定薬疹と診断した。塩酸ジフェニルピラリンによる固定薬疹の本邦第1例を報告する。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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