皮膚
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座瘡患者におけるLH-RH, TRH負荷試験による視床下部-下垂体機能の検討
相澤 浩新村 眞人
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1999 年 41 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

座瘡患者の視床下部-下垂体機能を検討するため, 女性座瘡患者26例と硬結嚢腫型の男性座瘡患者7例LH-RH (luteinizing hormone-releasing hormone), TRH (thyroid releasing hormone) 負荷試験を行し, 血中 luteinizing hormone (LH), follicle stimulating hormone (FSH), prolactin (PRL), thyroid stimulating hormone (TSH) の反応を健常群との比較について検討した。
女性例では座瘡群の血中LH, FSH, TSH値の負荷前値と負荷後値は正常群との比較において有意差をめなかった。しかし, 血中PRL値は負荷前値は有意差は認めなかったが, 負荷後15分値と30分値は健群に比し有意ある高値を示した。男性例では座瘡群の血中PRL, FSH, TSH値の負荷前値と負荷後値健常群に比し有意差を認めなかった。しかし血中LH値は負荷前値は有意差は認めなかったが, 負荷後分値と30分値は有意ある高値を示した。以上よりこのLH-RH, TRH負荷試験による視床下部-下垂体おける反応亢進はその生理学的意味については不明であるが, 座瘡発症と何らかの関係があることが示唆された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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