81歳女性の前額部中央に生じたpigmented squamous cell carcinomaを報告した。臨床的には黒色痂皮を付着した黒色の小結節で, 基底細胞癌を疑った。病理組織学的には, 一部に棘融解を示した有棘細胞癌の所見を示した。棘融解部では抗デスモグレイン抗体による染色性の低下がみられた。抗ケラチン抗体を用いた免疫染色では, 腫瘍巣はパンケラチンであるケラチン1染色陽性, 基底細胞に特異的なケラチン14染色陰性であった。またMasson-Fontana染色で腫瘍巣内にpigment blockade melanocyteとmelanophageを認めた。