皮膚
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キャベツにより生じた慢性光線過敏型皮膚炎の1例
東 禹彦久米 昭廣谷口 龍生宮本 朋子荻原 俊治樋上 恭子
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2001 年 43 巻 3 号 p. 153-156

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抄録

今回われわれはUVBに過敏を示した慢性光線過敏型皮膚炎がキャベツの摂取を中止することにより治癒した症例を経験したので報告した。症例は60歳, 男性, タクシー運転手で, 6ヵ月前から露光部位に痒みを伴って軽度に苔癬化した紅斑を生じて受診した。初診時のUVBに対するMEDは51.3mJ/cm2以下と低下していたが, UVA照射試験では照射量が不十分であったために, UVAに対する過敏性は証明出来なかった。入院の上原因を検索したが見つからなかった。退院後キャベツの摂取について尋ねたところ, 患者は自発的にキャベツの摂取を中止し, UVBに対するMEDは正常化し, 皮膚炎も治癒した。キャベジンを内服させた後にUVBに対するMEDは低下した。以上の結果からキャベツにより生じた慢性光線過敏型皮膚炎と診断した。光線過敏型皮膚炎の原因の一つとして食物も重要であることを強調したい。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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