抄録
本稿は,一般廃棄物処理施設の立地をめぐって事業主体・自治体と立地地域との間で展開される,対立・競合する諸利益の調整過程を,自治体行政における '紛争管理' という新たな枠組みを構築して捉え,政治・行政学的に考察したものである.具体的には,杉並区清掃工場建設事例と武蔵野市クリーンセンター建設事例を取り上げ,その決定に至るまでの過程を比較分析した.分析の結果,自治体行政における紛争管理のあり方に影響を与える要素として,紛争当事者の性格(問題意識や信頼の程度等),住民参加の経験,意思形成の場の特性,政治構造などの知見が得られた.