2004 年 2 巻 p. 370-378
本研究は, 企業における組織的な不正行為に関わる心理的特徴のひとつである目上迎合性に関する潜在連合テスト (Implicit Association Test; IAT) の開発を目的とした. 研究1では, 目上迎合性IATの内的一貫性の検討 (N=20) および再検査法により継時的一貫性の検討 (N=15) を行った. 研究2では, 目上迎合性IATと質問紙法との関連について検討 (N=36) を行った. その結果, 今回作成した目上迎合性IATの信頼性および妥当性が確認することができた. 最後に, 企業における組織的違反の防止策として, 目上迎合性IATの応用可能性について述べた.