地方集落である山古志・太田地区では,中間支援組織であるNPOが,地域の代表者との協力関係を築き,いわゆるコミュニティバスを運営している(参加型).一方でNPOは,地域の持続的な公共交通確保の為に,現在の参加型の運営組織から,住民自らが組織を立ち上げて運営する体制(自律型)への移行を計画している.本稿の目的は,バス運営組織の自律型への移行に対する受容意識を規定する要因と因果構造を明らかにすることである.分析の結果,現在の参加型バスへの地域の足としての評価を高めるだけでは,自律型への受容意識は醸成されないことを示した.すなわち,自律型への移行が集落への愛着,集落内・集落間交流の活性化を促す基盤になることを訴えることが重要であることを明らかにした.