社会技術研究論文集
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研究論文
韓国における放射性廃棄物処分場立地過程の政治過程分析
山口 陽央小松崎 俊作堀井 秀之
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2011 年 8 巻 p. 60-73

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抄録

韓国では放射性廃棄物処分場の立地場所について19年に渡って9回もの選定を試みてきたが全て立地決定に至らなかった.その後2005年3月に中低レベル放射性廃棄物(LILW)処分施設のみをキョンジュ市に立地決定している.この10回目の選定では自主的に応募した4地域が誘致を同時住民投票で争うような形となり,それまでの失敗事例とは状況を異にした.本研究では長い失敗の時期を経て立地決定に至った理由を明らかにするために,政治過程における因果関係の分析を行った.その結果.「LILW処分場の立地決定」という結果に支配的な影響を与えた要因としてHLW中間貯蔵施設の切り離し,経済的便益の大きさ,誘致地域支援特別法の制定,住民投票の制度化,国家的アジェンダとしての取り組み,プアンの失敗の6つを導き出した.

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© 2011 社会技術研究会
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