1987 年 33 巻 3 号 p. 258-271
本稿では,投影計算においてジオイド高を無視した辺長データをもとにして行う三辺測量網平均計算の持ち得る系統誤差について報告する.測距データの楕円休上への投影をを行う際にジオイド高を考慮したものと,考慮しないものとの二種類の網平均計算を,国土地理院が行った精密測地網一次基準点測量の東北日本部を対象にして実施した.ジオイドにはRAPPによるものを使用した.これらの結果とNNSS測位成果及び従来成果とあ比較について述べる.この比較によって,三辺測地網平均計算に於いては,ジオイド高が無視されるべきでないことが示される.また,従来測地網に於ける北海道の大きな回転が見出された.