測地学会誌
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国土地理院のALOS/PALSARを利用した干渉SAR事業計画
和田 弘人松坂 茂藤原 智藤原 みどり雨貝 知美飛田 幹男矢来 博司
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2006 年 52 巻 4 号 p. 285-296

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抄録

 国土地理院は,定常運用が開始された陸域観測技術衛星“ だいち”(ALOS)のPALSARデータを用いて,高精度地盤変動測量での干渉SARの利用を開始した.本測量事業は主に,地震・火山・地盤沈下および地すべりによる地殻・地盤変動の監視を目的としている.測量事業として定常的に干渉SAR解析を行うためには,データ処理・解析を行うためのシステムの整備と,これに用いるデータの確保が必要となる.このため,国土地理院は,PALSARデータを読み込み・登録から成果作成までを一貫して処理・解析するシステムを開発した.また,データの確保について,国土地理院はALOSを運用する宇宙航空研究開発機構へ,定常時および緊急時の観測要求を提出し,この内容に従って定期的にあるいは緊急時にデータの提供を受ける.定常的な解析では,はじめに火山・地盤沈下地域について,年1~ 数回程度解析を行い,これらの成果を公表する予定である.また将来は,これら定常的な解析地域の範囲を広げ,最終的に日本全土をカバーした地盤・地殻変動地図を作成する予定である.

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