2014 年 28 巻 3 号 p. 258-263
1) 霊長類の赤核には, 局在する位置, 細胞構築, 連絡する回路構造など, その解剖学的特徴から明瞭な区分 (おもに大細胞性と小細胞性) が存在し, それぞれの機能には大きな差異がある.
2) 赤核の各区分における細胞群の発達の程度は, 哺乳類の中で大きなバリエーションがあり, 四足歩行動物では赤核脊髄路が, 高等霊長類では赤核オリーブ路が発達している. ヒトにおいてこの差異は極端であり, 前者の赤核脊髄路はほぼ退化し痕跡的となっている. このため, 齧歯類, ネコ, さらにはサルにおける実験結果から得られた知見を直接ヒトに外挿するには慎重を要する.
3) ヒトにおいて特異的に発達した小細胞性赤核の具体的, 詳細な機能についてはほとんどわかっていないが, その臨床病態の像や破壊損傷によって作出された実験動物の機能異常から, 小細胞性赤核は振戦への関わりがある.