脊髄外科
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教育総説
気象変化と痛み
佐藤 純
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2015 年 29 巻 2 号 p. 153-156

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抄録

 慢性痛が天気の崩れで悪化することは以前より知られており, 疼痛治療の臨床において重要な問題である. 筆者は, 気象要素 (気圧, 気温) による慢性痛悪化のメカニズム研究により, 日常体験する程度の軽微な気圧変化あるいは低温への曝露が慢性痛モデル動物の痛み行動を増強し, 慢性痛有訴者の症状を再現することを実証してきた. また, 気圧変化による痛みの増強には内耳の気圧感受メカニズムが関与することを明らかにし, 温度変化による痛みの増強には皮膚の温度受容線維の反応性の変化が原因である可能性を示した. また, 慢性痛有訴者の一部では気圧や気温の変化に対して自律神経系が過剰に反応することがあり, それが症状悪化のもう1つの原因であることを示唆した.

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© 2015 日本脊髄外科学会
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