抄録
今回とりあげたテーマはつぎに示すとおりである。
(1) 吸引速度の影響{(i) 最適吸い上げ時間 (ii) 最適毛細管内径 (iii) 装置の小形化
(2) ストークス径と実測径
(3) その他{(i) 液温変化の影響 (ii) 試料採取法による影響 (iii) 器種による測定結果の相違
(1) 吸引速度の影響については, 前回までに得られたピペット先端の吸引速度の影響の結果をさらに発展させ, 市販品ピペットの懸濁液吸い上げ可能な時間範囲内における測定結果の差異と, ピペットの設計にあたって最も取り扱いやすいピペット毛細管径を見いだすことと, 測定時間の短縮をはかるために装置の小形化などをそれぞれ研究した。
(2) ストークス径と実測径は任意時間に計算によって求まる粒子径と, その粒子径に対応する固形分から実際に求めた粒径分布との関連から調べた。
(3) その他の事項は, 試料の採取法が測定結果におよぼす影響について調べるとともに, 粒度分布測定中における微少液温変化が測定結果におよぼす影響について調べた。 また, 器種による測定結果の相違ではピペット法と他の器種との関連について比較測定した。
なお, 今回の共同測定に参加されたグループ員は表1に示すとおりである。