主催: 公益社団法人日本表面科学会, 一般社団法人日本真空学会
イオンビームの質量分離に通常用いられる電磁石や飛行時間による分析法では、質量電荷比を選別しているため、一価の軽い元素イオンと二価の重いイオンが同じ質量電荷比を有するときには、明白なイオン種を確定できない。このような問題は、イオン注入のイオン種選別、SIMSやAPT分析におけるイオン種同定で重要となる。簡単な装置で、混合イオンビームのイオン種を確定するために、TOF-MSに荷電変換とエネルギー分析器を組み合わせて、多価イオンの検出を試みた。実験では、キセノンイオンビームの質量電荷が 66.5 のビームに焦点を絞り、これを荷電変換してエネルギー分析することにより、二価のキセノンイオンであることを示した。