再突入カプセルは,機体表面に装着可能なアブレータ,繊維質断熱材などから成る熱防御システムを持たなければならない.大気圧下における大きな有効熱伝導率は,幾つかの熱防御システム開発に用いられた.これは,繊維質断熱材を厚く,重く設計する手法である.本研究において,保護熱板(GHP)法のような定常法で測定された有効熱伝導率は再突入環境におけるアルミナ・シリカ繊維質断熱材の温度予測に適用可能であることが判った.さらに,本研究は粘性流領域(105 Pa)とクヌーセン流領域(100 Pa)双方における繊維質断熱材の有効熱伝導挙動も明らかにした.これらの結果は繊維質断熱材の有効熱伝導率予測手法が妥当であること,また薄い断熱材が設計可能であることを示した.