2005 年 4 巻 p. 35-42
パルスデトネーションエンジンを航空宇宙用空気吸い込み式推進機関へ利用することを想定し,空気吸い込み式PDEの推力性能を見積もった.PDEは,供給圧が外気圧(大気圧)まで膨張するため,高空で作動する場合,推重比が低下する.この推力低下を軽減するため,新概念PDEを提案した.PDEの出口に高速開閉弁を設け,燃料充填時に弁を閉じることにより,高速飛行時のラム圧力をPDEの推力に有効に利用する.さらに,インテーク捕獲流を燃料を利用して予冷却することにより,エンジン飛行可能領域がM0.5上昇する.これらのシステム解析の結果を踏まえ,PDRJE(Pulse Detonation Ramjet Engine)を提案した.さらに,PDEの基本的な推進性能について調査することを目的として,水素・酸素PDEの燃焼実験を実施した.PDE燃焼器に作用する熱流束は5kW/m2/Hzであった.