抄録
茨城県下のハス田の,かなりの面積に防鳥ネットが張られ,2008年から2010年にかけては冬期に20種前後1,200羽以上の野鳥が羅網して落鳥するという事態が続いている.被害鳥として一シーズンに50羽以上の落鳥が記録されたことがあるのがカルガモ,コガモ,ヒドリガモ,オオバンであった.種の識別ができなかったカモ科鳥類も100羽以上が記録されたことが多かった.レンコンに食害を与えている種の特定など,科学的な調査を進めたうえで,野鳥によるレンコン食害の低減と,羅網による落鳥数の減少に対して有効な方策を打ち出す必要がある.