Synthesiology
Online ISSN : 1882-7365
Print ISSN : 1882-6229
ISSN-L : 1882-6229
研究論文
研究戦略の形成とそれに基づいた構成的な研究評価
—創造的営みとしての研究プログラム評価にむけて—
小林 直人中村 修大井 健太
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 4 巻 1 号 p. 11-25

詳細
抄録
この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。
著者関連情報
© 2011 独立行政法人 産業技術総合研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top