抄録
スピニング加工とは、金属素材を回転させながら加工ローラーを押し付けて成形する塑性加工法で、金型コストが低く多品種少量生産に有利である。スピニング加工にロボット技術を導入して、これまでは困難だった異形形状の成形を実現し、加工機メーカーとの連携により実用的な加工機のプロトタイプを開発した。この研究では、実用化の優先を基本的方向性としてボトムアップかつ探索的に進め、現在の状況に応じ目標やシナリオを常時修正した。その場で入手可能な有限のリソースの組み合わせを活用するブリコラージュが研究活動において大きな役割を果たした。現場 · 現物 · 現実を重視する三現主義の立場で意思決定を行った。顧客満足度の向上を価値基準に加え、営業活動も研究のうちに位置づけた。