Synthesiology
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研究論文
糖鎖研究のための基盤ツール開発およびその応用と実用化
- 過去10年間の産総研糖鎖医工学研究センターの研究戦略 -
成松 久
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2012 年 5 巻 3 号 p. 190-203

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抄録
糖鎖研究という新しい科学技術領域を開拓するにあたり、10年間の長期戦略を最初に考案した。多くの研究者・技術者がこの領域に参入できるよう基盤ツールの開発を行った。まずは、糖鎖遺伝子の網羅的発見と機能解析を遂行した。この成果は、糖鎖合成技術、糖鎖構造解析技術、糖鎖の生物機能解析へつながる布石となった。開発された基盤技術ツールを応用して、癌診断等に有用な糖鎖バイオマーカー開発を実施した。肝線維化マーカー、胆管癌マーカー等の実用化に成功した。その他の種類の癌マーカーの開発も進行している。10年の長きにわたる研究成果はアジア諸国をはじめ世界へ輸出され、国内および諸外国との共同研究へと発展している。
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© 2012 独立行政法人 産業技術総合研究所
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