抄録
省エネルギーかつ利便性の高いシステムを構築するため、蓄電デバイスには、電気をたくさん貯めるだけでなく、電気の出し入れを高速で行うことも求められるようになってきた。高速充放電型蓄電デバイスの研究開発は、ナノテク材料製造技術とエネルギーデバイス製造技術という対象スケールの大きさがかなり異なる分野の融合領域であり、また、実用デバイス製造では要素技術の選択と融合が鍵となることから、構成学的にも興味深い研究開発分野と言える。この論文では、高性能キャパシタデバイス開発を目的に産学官連携で実施されたプロジェクトの開発経緯を実例として示しながら、材料技術シーズの探索からデバイス製造までの研究開発のアプローチや手法等を紹介する。