抄録
化学産業界における分離技術の主役である蒸留技術の抜本的な省エネルギー化のために、内部熱交換式蒸留塔(HIDiC)の実用化のための基盤技術開発をNEDOプロジェクトとして遂行してきた。大きな省エネ効果を確認できた本開発技術の普及のために、ソフトバイオマスからの発酵エタノールの蒸留濃縮プロセスに適用を試み、その省エネ効果を実証するベンチプラントを設計・製作・建設することができた。試運転の結果、NEDOプロジェクト「セルロースエタノールの環境調和型統合プロセス開発」において設定された濃縮および省エネの目標を達成でき、成功裏に終了した。この技術中の圧縮機不要のHIDiCが将来のプラントの大型化につながる可能性を有していることも含めて、研究開発とその進め方について論じる。