Synthesiology English edition
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研究論文
大陸棚画定調査への挑戦
- 国の権益領域拡大と地球科学の貢献 -
西村 昭湯浅 真人岸本 清行飯笹 幸吉
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2013 年 6 巻 2 号 p. 105-121

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抄録

大陸棚画定調査は政府一体として取り組まれた事業である。その目的は国連海洋法条約に定められた「大陸棚」について、科学的根拠を含む延伸大陸棚の限界に関する情報の取りまとめを行い、国連へ提出することにあった。産総研の海洋地質に関わる研究者は、海域調査の実施、採取岩石試料の分析・解析・解釈、ならびに国連への申請書案作成のための作業部会への参加を通じて、海洋地質学の専門家集団としての総合力を発揮することにより大陸棚画定調査に貢献した。関係省庁各機関が協力してとりまとめられた日本の延伸大陸棚に関する情報は、2008年11月12日、日本政府が国連の「大陸棚の限界に関する委員会」に申請書として提出した。そして、同委員会より、申請の審査の結果としての「勧告」を2012年4月26日に日本政府は受領した。本報告では、「大陸棚」および日本の「大陸棚」に関する簡単な解説とともに、科学的な情報が基礎となってわが国の海域における権益の及ぶ範囲の増大に貢献できるという稀有な機会に、産総研の研究者が組織の一員として、また研究者として参加したことの経緯とその成果を示し、さらに、このような事業を実施するうえでの問題点について議論した。

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© 2013 独立行政法人 産業技術総合研究所
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