わが国の標準ガスは, 質量比混合法によって, 混合ガスの基準標準ガスが調製され, これをもとに濃度の国内統一化が図られている。現在, 検査制度に基づいて供給されている標準ガスは, 9種類である。この供給体系は国内委員会での検討, 国際委員会の動きを勘案しつつ, 計量行政審議会の建議および答申を踏まえたもので, 国家標準に求源性 (トレーサビリティ;遡及性) をもたせている。本総説は, その経緯, 質量比混合法, 検査制度および国際的な整合について記述した。また, 日本工業規格としても制定されていることと, 今後必要とされる標準ガスについても, その一端を述べた。