大気汚染学会誌
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GCおよびGC/MSによる大気浮遊粉じん中のアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルの分析
末田 新太郎山下 俊郎重森 伸康
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1985 年 20 巻 4 号 p. 261-266

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抄録

大気浮遊粉じん中のアジピン酸ジ-2-エチルヘキシル (DEHA) の分析方法について検討した。大気浮遊粉じんは, ハイボリウムエアサンプラーにガラス繊維炉紙を取り付け捕集し, ソックスレー抽出器を用いて, ベンゼンで抽出を行った。ベンゼン可溶性物質は, クデルナ・ダニシュ濃縮器で濃縮後, シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画した。DEHAは, クロロホルム: エチルエーテル (I: I) フラクションの液層に溶出した。DEHAは, キャピラリーカラムガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ/質量分析計により同定, 定量した。回収率は, 吸引流速780l/minで89.9%, また吸引流速1300l/minで78.6%であった。この分析方法を用いて, 北九州市内の大気浮遊粉じん中のDEHAを測定した。その濃度は, 1.26ng/m3.であった。

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