抄録
本研究は大気浮遊粒子状物質の粒別分析の利点を十分活かすと共に統計的クラスター分析を用いた起源解析法の開発を目指した. 東京都内の交通量の多い幹線道路のアンダーパス部の沿道においてローボリウムエアサンプラーおよびアンダーセンエアサンプラーを用いて実試料を捕集し, 粒径分布および濃度を測定したのち, X線マイクロアナライザーを用いて粒別に元素組成分析を行い, 組成データに基づくクラスター分析により起源解析を行った. その結果, 大気粒子について多種起源の同時解析, つまりそれぞれの寄与率が求められ, かつ, 寄与率の小さい起源種の寄与も明らかにすることができた.