東北英語教育学会研究紀要
Online ISSN : 2758-5514
Print ISSN : 1346-2504
実践報告
大学英語授業外学習「英語3文ジャーナル」の実践—SNSも活用した継続的なアウトプットのすすめ—
小泉 有紀子
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2024 年 44 巻 p. 77-86

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抄録

本稿では,大学英語授業において授業外学習として課してきた英語3文ジャーナルの実践について報告する。少ない授業時間の中で授業外学習が大きな役割を果たす大学英語授業において,教員の負担を抑えつつ,学習者自身が気軽にかつ継続的に取り組み,書くことへの抵抗感を軽減できるような課題として考案されたものである。今回報告する3文ジャーナル実践は,オンラインでの課題のやりとりの中でSNSの利用もオプションとして取り入れながら行った。1エントリーにつき英文3文で,書いた個数(エントリー数)のみを確認していく形式で,内容や文法などについての修正は行わなかった。学期に最低15エントリーを課したが,それより多く書く学習者が大半で,SNSを利用した参加者とWordに書いた参加者それぞれ20名の開始時と終了時のそれぞれ5エントリーを取り出して比較したところ,全体に語数や文字数,文構造の複雑性やつなぎの語句の使用などにおいて改善や意識の向上が見られた。また何名かの学習者のジャーナル例からも,この実践が授業外学習として有効なものであり,学生が日々の生活や考えを表現し,授業終了後も続けられる自主的な学びの1つとしての可能性を持つことが示唆された。

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