鉄と鋼
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特集号「インフラ構造物の経年劣化に対する維持管理の最適化に向けて」
「インフラ構造物の経年劣化に対する維持管理の最適化に向けて」の特集号発刊にあたって
坂入 正敏
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2021 年 107 巻 12 号 p. 997

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日本の鋼構造社会インフラの多くは高経年化していること,橋梁保全業務に携わっている土木技術者が不足していることから,戦略的な維持管理による補修・更新が求められています。鋼構造社会インフラの長寿命化や維持管理コストの低減は,機能低下を引き起こす腐食部位の環境と腐食速度を把握し,環境改善等の適切な補修・更新を実施することで実現可能です。そのため,様々な環境における腐食に関する研究や環境センシング,それらに基づく数理解析が実施されています。

本協会においても「腐食劣化解析に基づく鋼構造物維持の最適化」研究会(2018年3月から2021年2月)が設立され,鋼製構造物として鋼橋を対象に桁端部のような腐食環境の厳しい部位について,腐食メカニズムに立脚した腐食寿命予測手法の基盤を構築し,適切な維持管理の指針を得るために研究が活発に行われてきました。

本特集号は,鋼構造物の長寿命化や維持管理を目的として実施され,まとめられた最新の基礎・応用研究に関する成果論文ならびにレビュー論文により構成されています。本特集号が,鋼構造社会インフラ構造物の経年劣化に対する維持管理の最適化に関する貴重な情報源となることを願っています。

 
© 2021 一般社団法人 日本鉄鋼協会

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