1982 年 68 巻 15 号 p. 2101-2107
住友金属工業(株)小倉製鉄所は,TRTの出力を増加させるためにBDCの開発に取り組み,小型バグテスト及び実機スケールのパイロットプラントによる各種テストを行い,実機BDCが1982年3月に稼動を開始するに至つた.以後順調に立ち上がり,TRTの出力も当初の計画どおり大幅に向上している.
また,TRTは,我が国において1974年に1号機が稼動して以来,その後TRTの効率向上への進歩はめざましく,当社においても湿式軸流TRTの開発にひきつづき,今回世界で初めてBガス非燃焼型乾式TRTで,炉頂圧力制御も可変翼化した最新鋭のTRT開発に成功した.これにより,従来の湿式軸流TRT(4081kW)に比較し発電量が大幅に増加し(5813kW),約42%の出力向上を図ることができた.さらに初期のTRT(湿式輻流タービン:炉頂圧力はセプタム弁制御:出力約3400kW)に比較すると,実に70%以上(出力5813kW)の出力向上が図られたことになる.