鉄と鋼
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製造プロセスにおける鋼材のオンライン非破壊材質評価
宮川 一男
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1986 年 72 巻 9 号 p. 1237-1242

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抄録

鋼材の品質保証のあり方について検討すると共に機械試験の現状と問題点について述べ,製造プロセスにおける鋼材のオンライン非破壊評価が可能とした場合のメリットについて述べた.
さらに実験装置による基礎試験によつて磁気特性,超音波特性などと機械試験値または結晶粒度との関係について検討し,機械試験値または金属組織と非破壊計測値との間には高度の相関関係が存在することを確認した.さらにそのオンライン化の今後の方向についても考察して,鋼材のオンライン非破壊評価の可能性が十分あることがわかつた.
この方法の最大の特長は,現在のように多大な人手と経費と材料損失のある機械試験を極力少なくすることであり,製造ラインで直ちに結果が判明することにより品質情報の伝達がより一層迅速になることにある.したがつて今後機械試験及び組織試験をオンライン非破壊評価に移行させるための研究が組織的に大規模に行われることは極めて有意義であると考えられる.

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