鉄と鋼
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Na2O-B2O3系融体中のFeとMnの酸化還元平衡
朴 奉勲水渡 英昭
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1991 年 77 巻 2 号 p. 217-223

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抄録

Na2O-B2O3系融体中のFeとMnのRedox平衡をDopant濃度,酸素分圧,温度,融体組成の関数として求め,以下のような結果が得られた.
i)XNa2O/XB2O3=1/2の融体中のFeとMnのRedox比(M2+)/(M3+)はDopant濃度の増加と共に減少する傾向を示した.
ii)log[(M2+)/(M3+)]と-logPO2,は直線関係にあり,FeとMnのRedox平衡での傾きはおのおの8,4であった.
iii)Redox比の温度依存性から求めた還元エンタルピーはFeのRedoxの場合80~120kJ/mol,MnのRedoxの場合,40~60kJ/molであり,XNa2O/XB2O3比が増加すると(M2+/(M3+)比は減少した.
iv)FeとMnが共存する融体において,ESR測定を行ったところ,Fe2++Mn3+=Fe3++Mn2+の反応が右側に完全に進行する結果が得られたが,この相互作用が冷却過程で生じたかについては結論づけられなかった.

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