抄録
CO2対策の第1ステージは省エネである.しかし日本では限界が近いし,世界的にも,半減以上を求められるCO2高抑制時代には対応する技術ではない.
CO2対策の第2ステージは,回収→廃棄であろう.ただし,最も有望な超深海投棄(または貯留)も.安全性・安定性を求めると適地は限られる.さらに,化石燃料の斜陽化(石油については2025年頃?)も考慮すると, CO2が炭素資源として見直されるまでのつなぎと考えたい.
CO2対策の第3ステージは,回収→リサイクル(エネルギー輸送媒体として).これには,大規模新エネルギー開発が,化石燃料資源斜陽化時期に間に合ってくれる必要がある.
アルミニウムや鉄は,エネルギー輸送媒体としては充分優れているとはいえないが,地球規模新エネルギー産地への移転は長期的には必至である.
エネルギー多消費型に変身しつつある民生エネルギーもまた,かなりの部分が新エネルギー産地への転出を要請されるに到るであろう.その要請の強さは,CO2リサイクルシステム等を稼働させた時における需要地へのエネルギー到達率改善の度合いにかかっている.