塗膜の基礎特性と題して塗膜および塗料に要求される特性とそれらにどのように対応するかという視点で述べてきたつもりではあるが,なかなか意図通りになっていないように思う。
塗料技術は原料を購入して加工する技術であるために対応策と呼ばれる,細かな部分はノウハウ領域であるし,塗料は非常に多くの産業にわたり様々なニーズに対応する技術そのものであるために技術としてまとめることが難しいためであると言い訳をしておきたい。従って,筆者の専門技術領域であるレオロジーの視点からある程度まとめてみたつもりではあるが,まだまだこの領域は発展段階であり,従来の経験と勘の世界をどのようにサイエンスにするかということが現在の最も重要な課題である。
今後とも物性への研究を続け現象を的確に表現ができる物性技術,材料設計を考えられる物性技術を目指して研究を続けて行きたい。