鉄と鋼
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高合金・超合金中析出物の抽出分離定量法(第一報)
松村 泰治船橋 佳子広川 吉之助石黒 三岐雄黒澤 文夫薦田 光徳日野谷 重晴遠藤 丈河村 恒夫間嶋 エミ子千野 淳九津見 啓之成田 正尚儀賀 義勝田中 清之助信 豊和田 俊雄森本 求余語 英俊小沢 幸男石井 実
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1993 年 79 巻 6 号 p. 628-637

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抄録

以上の共同実験結果よりステンレス鋼および高Crフェライト鋼中析出物の抽出分離定量法(推奨法)をまとめ,表9に示した。結果を要約すると以下のとおりである。
(1)ステンレス鋼中のTCP相(σ相,χ相)は, 1%HA系電解法により抽出できる。このうちσ相は10%臭素-メタノール溶液に溶解するので,電解抽出残さを10%臭素-メタノール溶液に浸漬処理し,溶解液を分析すれば,σ相組成が求められる。
(2)ステンレス鋼中の炭化物は, 1%HCl系あるいは10%AA系電解法により抽出できる。
(3)高Crフェライト鋼中のTCP相(Laves相)と炭化物は,10%AA系電解法により抽出できる。Laves相は, 0.5%臭素-メタノール溶液に溶解するので,電解抽出残さを0.5%臭素-メタノール溶液に浸漬処理し,溶解液を分析すれば,Laves相組成が求められる。

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© 一般社団法人 日本鉄鋼協会
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