1993 年 79 巻 9 号 p. 1108-1114
送電鉄塔用鋼管STKT590の溶融亜鉛めっきぜい化に及ぼす微量Bの影響について述べた。
すなわち微量Bの影響がきわめて大きいことを定量的に把握し,この結果は送電鉄塔のみならず,亜鉛めっき橋梁等の大型鋼構造のめっき割れ防止技術をさらに一歩進めたものと確信する。
また,Bがめっきぜい化を促進する原因は溶接熱影響部の粒界フェライト占有率の減少によることを明らかにすると共に,化学成分によるめっき割れ防止の重回帰式CEZ(JIS)を再検討し,新たな重回帰式CEZmod式を導出し,JIS改訂を提案した。また本研究で亜鉛割れの評価法として採用した破断応力比と東京電力で検討された限界ひずみによる評価法はよく一致することも確認した。