鉄と鋼
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亜鉛めっき鋼線の機械的性質に及ぼすラメラセメンタイトのナノスケール内部構造の影響
槙井 浩一家口 浩南田 高明鹿礒 正人茨木 信彦隠岐 保博
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1997 年 83 巻 8 号 p. 514-519

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抄録

Siによる亜鉛めっき鋼線の機械的性質に及ぼすラメラセメンタイトの下部構造の影響について検討を行い以下のような結論を得た。
(1) ラメラセメンタイトは伸線によって大きな内部ひずみを持つようになり,最終的にブルーイング処理により,ナノ粒子化することを発見した。
(2) Siがラメラセメンタイトのナノ構造を微細化することが分かった。Siはナノ粒子粒界,および,ラメラフェライト/ラメラセメンタイト界面に偏析し,亜鉛めっき工程のナノ粒子の粗大化を抑制する。
(3) Si添加によりラメラセメンタイトのナノ構造が微細化すると,焼戻し軟化特性が向上し,高強度高延性化する。

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© 一般社団法人 日本鉄鋼協会
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