Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
ミニレビュー
デンプンに作用する酵素とN結合型糖鎖に作用する酵素の構造上の相同性: α-1,X- グルコシド結合をエキソ型で加水分解しβ-グルコースを生成する酵素
Takashi TonozukaTakatsugu MiyazakiAtsushi Nishikawa
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 23 巻 130 号 p. 93-102

詳細
抄録

α-1,X-グルコシド結合に非還元末端側よりエキソ型で作用しβ-グルコースを生成する酵素には、グルコアミラーゼ、グルコデキストラナーゼ、トレハラーゼ、真核生物由来N結合型糖鎖プロセシングα-グルコシダーゼIなどがあげられる。これらの酵素の生体内での機能は全く異なるが、(α/α)6バレルを触媒ドメインとして持ち、立体構造上共通した特徴がみられる。これらの酵素はいくつかの例外を除き、CAZy データベースにおいて Glycoside hydrolase family (GH)15、37、63 に属し、触媒残基としてグルタミン酸残基またはアスパラギン酸残基が2つ存在する。触媒残基の位置はこれらの酵素で保存されており、構造上の類似点は数多い。このようなことから、α-1,X-グルコシド結合をエキソ型で加水分解しβ-グルコースを生成する酵素を「グルコアミラーゼファミリー」と呼んでふさわしいように思われる。さらに、これらGH15、GH37、GH63と立体構造上相同性を有するホスホリラーゼや加水分解酵素が多数存在する。

著者関連情報
© 2011 FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
前の記事 次の記事
feedback
Top