Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本語)
C-マンノシル化のこれまでの研究動向と今後の研究展望
丹羽 祐貴清水 史郎
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2018 年 30 巻 177 号 p. J191-J198

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抄録

タンパク質糖鎖修飾の1種であるC型糖修飾は、単糖のα-マンノースがトリプトファン(Trp)残基のインドール環2位の炭素原子に対し炭素–炭素結合を介して付加するユニークな糖修飾であり、これらの特徴からC-マンノシル化と呼ばれている。C-マンノシル化は小胞体(ER)内腔において酵素により触媒され、そのコンセンサス配列はTrp-Xaa-Xaa-Trp/Cys(Xaa:任意のアミノ酸)であると報告されており、この配列中のアミノ末端側のTrpにおいてよく確認される。これまでにおよそ30種類のタンパク質でC-マンノシル化が報告されており、我々の研究成果を中心にその機能が徐々に明らかになりつつある。2013年には線虫のdumpy-19(dpy-19)がC-マンノシル化を触媒する酵素として報告され、2016年には線虫dpy-19のヒトホモログの1つDPY19L3が同様にC-マンノシル化酵素としての活性を有していることを我々は報告した。本レビューでは、C-マンノシル化のこれまでの研究を我々の研究成果を含めながら概説するとともに、これまでの研究成果から予想される今後の研究展望についてご紹介する。

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© 2018 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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