2019 年 31 巻 181 号 p. SJ42-SJ43
我々は大腸のがん化に伴う硫酸化糖鎖の生合成について、硫酸/糖転移酵素の酵素活性や生化学的性質の解析を行った。その結果、コア3糖鎖の非還元末端GlcNAcの6位を硫酸化するGlcNAc6STと粘液産生性大腸がんの関連性を見出した。また、GlcNAc 6-O-硫酸およびGalβ1-4GlcNAc(6S)を良い基質とするβ1,4-ガラクトース転移酵素(β4GalT)およびβ1,3-N-アセチルグルコサミン転移酵素(β3GnT)の存在を明らかにした。これらの知見は今後硫酸化糖鎖の生理機能を解析する上で有用であると考えられる。