Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本語)
腫瘍免疫逃避機構におけるコア2 O-グリカンの二つの役割
坪井 滋
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2019 年 31 巻 183 号 p. J113-J118

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抄録

O-グリカンにN-アセチルグルコサミンを転移するβ-1,6-N-アセチルグルコサミン転移酵素(C2GnT)は、細胞表面糖タンパク質上にコア2 O-グリカンとよばれる分枝構造を形成するための鍵となる酵素である。膀胱癌の原発巣と転移巣であるリンパ節でのC2GnT発現を解析した結果、原発巣ではC2GnT発現が陽性の癌細胞が、リンパ節ではC2GnT発現が陰性の癌細胞の方が、それぞれ生存しやすいことがわかった。原発巣では、C2GnT発現陽性膀胱癌細胞がナチュラル・キラー(NK)細胞の攻撃から、リンパ節ではC2GnT発現陰性膀胱癌細胞が細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の攻撃から、それぞれ全く異なる機構で逃避していることが明らかになった。本総説では、これらの異なる腫瘍免疫逃避機構を解説し、コア2 O-グリカンが示す、相反する二つの役割ついて述べる。

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© 2019 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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