2022 年 34 巻 197 号 p. J1-J6
O-GlcNAc修飾はヒトの生理機能において重要である。様々な細胞内タンパク質におけるO-GlcNAc修飾の不全は、心血管疾患、免疫系、2型糖尿病、神経変性疾患、および癌に影響を及ぼす。10年程前に、ショウジョウバエおよび哺乳類の保存された上皮成長因子様(EGF)ドメインから細胞外O-GlcNAc修飾が発見された。細胞外O-GlcNAcは、小胞体にてEGFドメインO-GlcNAc転移酵素(EOGT)によって触媒され、細胞内O-GlcNAcとは異なり、ゴルジ体でガラクトースやシアル酸による伸長を受ける。この総説では、EOGTの触媒作用、保存されたコンセンサス配列、細胞外O-GlcNAc修飾の異常、EOGT変異に関連する疾患に関する研究を振り返る。